フォレストイン昭和館チャペルコンサート で最後のコンサート
2025年1月19日(土)昭和館ガーデンチャペルで石井初美さんの ソプラノリサイタルが行われました。私は全プログラムの伴奏を務めさせていただきました。弾きながらこの景色を眺められるのも最後。31日をもって閉館ということがまだ信じ難いです。
四季折々の景色を背景に楽しんでいただいた日本の歌のコンサートは、「こころの風景」をお客さまと分かち合える場でもありました。約20年からのチャペルコンサートの一つ一つが脳裏に蘇りました。
たくさんの出逢い、経験に感謝
私が日本歌曲に傾倒するきっかけとなったのも昭和館チャペルでの石井さん企画コンサートに出演したことからでした。
20年近く前のことです。
レッスンに同行した先の先生が日本歌曲の第一人者でありピアニストの塚田佳男先生でした。その出会いは私の音楽人生の中で良い意味での衝撃であり、その後の活動の起点ともなるべく大きなきっかけでした。
そんなチャペルでの素晴らしい経験、出逢いが今の私に繋がっていることを再確認。
そして石井初美さんへも感謝。
ありがとうございます!
多彩なゲストとともに
振り返れば、たくさんの演奏者の方ともステージでご一緒させていただきました。
この日は、賛助出演としましてテノールの山川高風さんがご出演。ものすごい集中力とその歌に込めた感情表現は、以前にも増していて私も伴奏しながら惹き込まれてしまいました。
更に日本舞踊の花柳先生とのコラボもあり会場は大盛り上がり。
石井亨先生作曲の「風になれ芭蕉布」では琉球の風がまさに外の景色から舞い込んできたかのような躍動感。踊りと歌、ピアノで、琉球の歴史をも感じさせるスケールを醸し出せたのではと思います。
石井亨作品に想いを込めて
初美さんのご主人の石井亨(いしいとおる)先生の作品はこのチャペルで生まれたものも多かったです。
この日は、亨先生自らが曲のエピソードをお話になりましたので、背景が皆様に伝わり、より感情移入してお聞きいただけたのではないでしょうか。
美しくすっと心に降りてくるようなフレーズは石井マジックですね〜。
そして歌を支えるピアノの伴奏は、オーケストラを思わせる厚み、スケールを要求されます。伴奏パートの重要性を感じつつ演奏に向き合いました。
不思議な魅力があり、一曲ずつの音楽がミニドラマのように流れている感覚がしました。これからも多くの方に歌い継いでいただきたいです。
石井さんのお人柄、これまでの感謝の想いで包まれた会場で、見事にオペラまで歌い切った初美さん、素晴らしかったです!
それぞれの思い出を胸に
終演後、たくさんの方が声を掛けてくださいました。皆さまがそれぞれの想いを抱きながら聴いてくださっていたようです。
この日のコンサートが素敵な思い出の1ページに刻まれましたら幸いです。
私も忘れません。
ありがとう
さようなら
石井初美
ソプラノリサイタル・
◆2025年1月19日(日)
◆ フォレストイン昭和館 ガーデンチャペル
〜全プログラム〜
石井亨 歌曲作品
夢見る季節
風になれ芭蕉布
娘よ
おやすみ赤ちゃん
川よ
桜咲く季節の中で
初恋
叱られて
團伊玖磨「抒情歌」
花季
路地の子
藤の花
城ヶ島の雨
オペラ「ラ・ボエーム」より
”私の名はミミ”
オペラ「蝶々夫人」より
”ある晴れた日に”
オペラ「マノン・レスコー」より
”柔らかなレースの中で”