世界初演の西田直嗣氏のピアノトリオ曲
2025年のプチ・ボヌールシリーズ「ニューイヤーコンサート」では私がメンバーでもあるローズタウントリオが出演。
作曲家で群馬大学教授でいらっしゃる西田直嗣さんが、ローズタウントリオのためにオリジナル曲を作ってくださいました。
この度、初演をさせていただき、皆様に新たな作品をお披露目することになりました。
西田さんとは15年近く前からのご縁。
西田作品の歌曲を伴奏したことある方はお分かりかと思いますが。
譜読みが難しい…。
特に今回は初演なので音源もないし、まっさらな状態からの音楽作り。挫けそうになりました。
しかし美しい薔薇を目にするたびに自ら奮い立たせて、練習を重ねてきました。そして、3人で合わせをしてやっと薔薇が爽やかに咲いてきた気がします。
新しい音楽作品は手探り感とワクワクがたまらないです。
作曲家の音楽へのイメージをお聞きして答え合わせしつつ煮詰めていく作業。ぼんやり景色が見えていたのが、ご指導でだいぶ輪郭が見えてきました✨
「薔薇と風のバラード」
略して「薔薇バラ」
まだまだ本番まで完成度を高めてまいります!
作曲家 西田直嗣さんからのメッセージ
「薔薇と風のバラード」は〈ローズタウントリオ〉のために、2021年から2022年に跨るバラの冬眠期に作曲されました。
勿論トリオの名前にちなんでタイトルを付けましたが、玄関先で深紅と黄色のバラを育てつつこれまで20曲以上薔薇の歌曲を作曲してきた私にとって、バラは最も身近な花であり、そのバラたちが地元群馬のからっかぜに吹かれて、ゆらゆらと妖しく踊る様子を目にしたり、時々鋭い棘に指を刺されて悲鳴をあげたりしています。
ピアノ・トリオの編成で作曲したのは数十年前の大学受験以来です。単に段階としてカルテットに行けなかっただけですが・・・。曲の構造は自由なソナタ形式で、各主題の形が少しずつ変容してゆき、薔薇や風を感じながら生きることの多様な姿を描いています。バラードは「物語」を表しますが、その要素のほかに、日頃回文やダジャレで周りの人に迷惑をかけているので、聞いていただく方々にも分けてあげたいと言う思いが込められています。
西田直嗣
西田直嗣(にしだなおつぎ)
プロフィール
東京藝術大学作曲科を首席で卒業。同大学院修了。
東京室内楽作曲コンクール第一位。
奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門において第一位。日本歌曲振興波の会作曲コンクール最優秀賞受賞。
日本音楽コンクール、吹田音楽コンクール作曲部門入賞。朝日作曲賞入選。
現在、群馬大学教授。
全日本児童音楽協会、日本歌曲振興波の会会員。日本歌曲研究〈歌雲界〉主宰。
オフィシャルサイト https://x.gd/o8yi1